カベルネソービニオンというソービニオン・ブランとカベルネ・フランとの交配によって作られた品質の高いブドウをふんだんに使用しているワインです。
カベルネソービニオンの実は皮が厚く、タンニンを多く含んでいるので男性的で力強いワインと評される傍らで長期間熟成されるとその味わいもますます深くなると言われています。
20年経っても失われることのない、このワインの長命な部分は世界中のワイン愛飲家からたくさん報告されておりこちらも愛される理由の一つとなっています。
またワインというものは年に寄る味のバラつきがあると言われていますが、シャトー・ラトゥールはそのバラつきが一番少ないワインとされており、現支配人のジャンポール・ガルデールは「深いルビーのような色、豊かなコク、力強く並々ならぬ味わいの深さ、高尚さと気高さを備えた」ワインとラトゥールのことを表現しています。
作り手が絶対の自信を持って送り出す世界的名ワインです。
【シャトー・ラトゥール】
五大シャトーの一角を担うシャトー・ラトゥール。
その畑の近くには英仏の100年戦争時にはイギリスのタルボー将軍の砦として使われていたサン・ランベールという塔があるそうです。
イギリス軍がこの地を去った後にこの農園の所有は何人か変わりましたが、ニコラ・アレキサンドル・セギュール公爵所有に落ち着き、その後300年ほどかけて品質を徐々に高めていきました。
その努力が実り、1855年の格付けでは見事、一級を獲得しました。その魅力に見せられた逸話としてアメリカ独立宣言の執筆者で大統領になったトーマス・ジェファーソンが駐在大使時代に大金をはたいてケースで持ち帰ったエピソードがあります。
その後も所有者の変遷がありましたが、老朽化していた桶のステンレス化や最新の現代醸造技術の導入などを経て常に品質の向上が図られてきました。
ちなみに現在もあるこのブレンド用のステンレス製タンクはとても大きく、この中で一度にブレンドすることによって安定した品質を保っています。また実際のシャトー内は常に清潔に保たれていてスタッフの方々が衛生面にとても気を使っていらっしゃることが伝わってきます。