ウィリアム・ハーランは10代の頃にナパを何度か訪れるうちにその大自然に魅了され「ナパでワイン作りがしたい」と決意したそうです。
大学を出た彼は直接ワインとは関係のない不動産関係の仕事に就き、成功を収めてから少年時代にから抱いていた夢の実現に向けて、ブドウ畑の購入に心血を注いでいきました。
少しずつ購入していったブドウ畑も今では100haに及び、マーサズ・ヴィンヤードやト・カロンがあるナパの中心地帯にあります。

70%がカベルネ・ソーヴィニヨン、残りの敷地にはメルローとカベルネ・フラン、プ・ティヴェルドがそれぞれ栽培されています。
黒に近い色調を持った力強い濃厚なワインであると同時にとても柔らかいタンニンが滑らかさを演出し、まとまりのある酸がエレガンスを感じさせてくれています。
ブドウの成分が凝縮されるように収穫量を徹底的に厳しく制限し、タンニンを熟成するために収穫を遅らせることでハーランエステートが造られていきます。
ブドウは除梗と房単位ではなく粒単位で行われる厳選した選果を経て、ステンレスとオークの発酵槽に送られ、基本的に一ヶ月間高い温度で発酵させます。ポンピング・オーバーなどはせず、樽を直接転がすことで対応しています。

一つ10万円以上掛けて造られたミディアム・トーストのオーク樽で熟成後、無濾過、無清澄でボトル詰めを行います。

【ハーランエステート】

ハーランエステートのワインが造られるまでには最上の樹の選定や最高のスタッフの招集（当主はウィリアム・ハーラン、監修ミシェル・ロラン、醸造家ボブ・レヴィ、支配人ドン・ウィーバー、栽培メアリー・マー）なども同時に行われ、除梗の際に出る、葉っぱのかけら入れることを許さない徹底した管理が為され使用するのはフリーラン・ジュースのみ。最高のスタッフが結集し、完璧なワインを妥協することなく造りたいとしたスタッフたちによって生み出されており、何度も何度も厳しい篩いに掛けられることでやっとハーランが全体の収穫量の1/3作られます。

その他はセカンドのメイデンやバルクとして外部に売られていきます。
錚々たるメンバーによって、一切の妥協無く造られたワインはその実力を世界中で認められ、熱狂的なファンがいるカルトワインの第一号になりました。